TCA440を使用したTRX 性能改善

いまいち不満足であったAGC部分を検討してみました。結果は上々です。
TCA440はRF段とIF段にそれぞれ別々にAGCが掛けられるようになっていますが、
最初は、ほぼ同じAGC電圧をそれぞれに掛けるようにしていたのがうまくなかっ
たようです。
RF段には抵抗で分圧してAGC電圧を加えるようにして、低入力の時にはRF段は
フルゲインで動作するようにしました。
時定数のCも最初は100μFと大きすぎたため十分充電できていませんでした。
この定数も3.3μFに見直しいい感じになってきました。
RF入力のコイルも、ICの入力がハイインピーダンスなのに対応できていません
でしたので、秋月のフェライトビーズにバイファイラ5回巻きでステップアップ
トランスを作り、挿入しました。これで、入力のマッチングもほぼOKの筈です。
この状態で、RF入力 vs AF出力を測ったデータが次のグラフです。

気をよくしてSメーターをつないで見ました。このメーターは関ハムで購入した
350μAのものです。丁度-73dBm(S9のレベル)でS 9強の振れでだいたいあって
おり、調整VRの挿入は不要でした。Sのメモリは-6dB毎に一つずつ減るはずです
が、こちらの方は、目盛がいい加減で-6dBでSが2以上ずつ下がって行きました。
昨日、今日はCQWW DX Contestをやっていて、Wの局がS 9以上で強力に入感して
います。
ケースからSメータのリード線を引っ張り出して、以前製作した善峰の上に載せ
隣には新作のパドル龍安4号を並べて写真を取ってみました。
 

残念ながら、全体のゲインが足らないのか(IC自体は高ゲインなのですが)低
入力時には十分なAGCが掛かっていませんが、実用上まあ満足できるレベルに
なったかなと思っています。
あとは、送信ファイナル部の効率があまり良くないので検討が必要ですが、12V
で2Wは出ているので、これでOKにしようかなと思っております。
下図は現時点の回路図です。この回路図をクリックすると、フォトファイルの
画面が開くので、下のサムネイル画面をクリックすると内容が見える回路図を
見ることができます。